いまや新聞・テレビ等で取りあげられています通り、全国的に残土処分にからむ事業者と住民のトラブル、違反行為が跡を絶たない状況にあります。千葉県は他県よりも規制が緩く、不法投棄の量が全国一位という現実にあります。そうした中、わが印旛村でも具体的な問題が発生してしまいました。
平賀の残土埋立計画は、平賀学園台の住民が知らないところで進められていたようであります。住民は、昨年の11月20日、事業主による説明会が開催され、初めてこの計画を知りました。
私は昨年末に平賀学園台の方からこの問題を聞きました。「自然の豊かな緑あふれる印旛村を生涯住むべき第二の故郷と定め、退職金をはたいて平賀学園台に入居しました。何が何でも自然を破壊しないでほしい」と頼まれました。電子メールでもたくさんの人から何とか中止してほしいと依頼がありました。私なりに、できる限りのことをしようと思い、産廃問題で知見のある県議や県庁、他市町村の環境担当課に相談し、平賀の区長さん他役員の方々とともに、地主の方が事業者と行った合意を撤回することで解決を図ったのであります。それと同時に、県の認可手続きが終わるまでに村でより厳しい条例の制定を急ぐ必要があることを村長に伝えたことはご存知の通りであります。結果的には、地主が行った合意文書には土地所有者の責務が記載されており、いくら口頭で説明がなかったとしても、実印の押された契約書は、法的には撤回が困難な状況にあるということで、非常に残念です。
地主の方々は、近隣住民の皆さんに迷惑をかけるぐらいならば裁判所で争ってもよい覚悟でいらっしゃいます。しかし、借金の保証人と同じで実印を押したものは簡単に無効にできるものではなく、複数の弁護士に相談しましたが、見解は同じでした。他の市町村では、事業者が途中で事業を放棄して逃げ、全部の責任が土地所有者に及んでしまったケースも発生しています。よく契約内容を確認しないで、わずかの地代と引き換えに大きな責任を負ってしまうことになります。地主の方は地元の皆さんに迷惑がかからないよう、再度弁護士を通じてより厳しい内容に協定書を結び直し、決めてある内容のひとつでも事業者が違反すれば即刻事業を中止するよう求めると言っています。いま私たちにできることは、そのような地主の方々の立場を理解して、守ってあげることだと思います。
■村の協定について
村は、昨年11月18日付にて、平賀地区への残土搬入について事業者と協定書を締結しています。平賀地区の住民説明会が開かれたのはその後です。12月には二、一八八名の反対署名が集まっています。協定書の締結は、住民の意思を無視した行政ではなかったのか、伺います。
まず経緯ですが、昨年8月23日に特定事業事前計画書が県に提出され、9月5日には事業者による北口地区への説明会が開催、9月21日に特定事業認可申請書が県に提出されました。県から村に計画書の写しが送付され、これを受けて担当課にて事業者にヒアリングを行った結果、地域住民の生活環境と道路橋梁・水道施設等が損なわれる懸念が生じました。そこで事業者と協議し、協定書を締結しております。
反対署名については重く受け止めており、北総県民センター所長に慎重な審査をお願いしております。また、協定書は道路使用を認めたものではなく、「村道通行承認」は事業開始に伴い別途必要なことを申し添えます。
なぜ住民に相談しなかったのか、答えてください。
残土処分がすべて違法なものとは限りません。この事業により利益を得る立場もあり、村としては中立を保ったまでです。許可権は県にありますが、住民の9割が反対ということであれば村としても住民側に立つ必要は認識しています。
■生活への影響について
この事業によって平賀の住民が懸念しているのは、地下水の汚染、環境破壊、交通問題などです。幅員が5mと狭く、急カーブが連続している道路です。もともと大型車禁止の道路を、10tダンプが一日50台(往復百台)通過すると聞いています。住民の生活道路、通勤通学路が危険にさらされることを不安に思っています。
この事業が、村の環境や地域生活に与える影響をどのように考えていますか。また、村としてどのように事業を監視し、対策する考えですか。
農地の一部は農地に復元され、残りは隣接するピュアホーム有限会社所有の山林から伐採される材木の一時置き場として使用されますが、最終的には農地に復元される計画です。山林部分は事業完了後に杉七百七十本が植栽される計画です。事業完了時に県・村職員が確認するようになっています。
県が認可し、事業が始まれば、県とも緊密な連絡をとり、違反行為の事前防止のため、経済環境課だけでなく、都市計画課ともパトロールを実施します。土砂の運搬による騒音・振動、砂塵の発生、道路・橋梁、上下水道など生活環境が損なわれることのないよう村道使用承認の条件を厳しく監視します。さらに住民の方々の意見を聞きながら、県、警察と一体で、産廃の不法投棄や休日夜間の違反行為について未然に防止していきたいと考えます。
中平橋の強度は十分ですか? 印旛村の財政力では何か起きても対応できないのでは?
中平橋は平成元年に完成した橋で、村内に架かっている橋では最も頑丈です。橋の端から端までダンプが連なっても損壊しない設計です。
■新条例制定の必要性
本件に限らず、このような問題が発生しないためには、県条例よりも厳しい規制を村で行うべきと考えますが、村条例制定についてどのようにお考えですか。
今回の平賀地区の埋立申請の件では住民や議員より県条例の適用除外を求める要望があり、昨年来より県や近隣市町村に相談し検討しております。内容については議員全員協議会や経済建設常任委員会で報告し、検討を重ねておりますが、役場としての体制強化など、条例を作っても維持ができるかどうか慎重に検討する必要があります。
私は昨年の12月の段階で臨時議会を開催してでも早期に条例制定が必要と言いましたが、なぜ動かなかったのですか? あれから3ヶ月も過ぎています。住民の生活と安全を守るという最低限の行政の責務を果たしていないではないですか。
(村長)国嶋さんも止められなかったではないですか。
事業の開始を遅らせ、地権者と事業者と協定書を結び、新条例制定の契機を作った意義は大きいと思います。
景観法が平成17年4月に施行されました。村で景観法を作れば、開発行為にからむ問題や残土などの問題について県知事の権限が村長に与えられます。美しい印旛村の自然環境を自ら守っていくべきと考えます。
なお、新千葉タイムスの報道など、私と平賀区長の二人が頑張ったように思われていますが、先頭に立って署名運動を行った鵜沢議員、岩崎議員、大阪議員、石井議員の努力や、小川議長や村長はじめ関係者の地ならしの上にたまたま私が乗っただけのことであります。
今回の残土問題では良い教訓を得、また、人生の生き方を教わりました。良いことであっても、周りをよく見てやらなければならないということ、そして本当のことであっても相手のことを考えて行動し、言わなければならないということを知りました。
(くにしま雑記)
今回の残土問題では、平賀の笠井区長、深山今幸さん、大熊副区長の活躍に心より感銘いたしました。
笠井区長のご尊父とは山村新治郎の時代から15年来のお付き合いで、当時農業委員で元気なお姿を記憶しています。残念ながら先日ご逝去されました。病床で「息子はしっかりと区長の役目を果たしているか」と私の手をきつく握って心配しておられました。笠井区長は今回の騒動のため、十分に病院に足を運ぶこともできず、お父様の最後を看取る暇もない状態で地域のために頑張っていただきました。
地域の皆さんが頑張っているのを見て、このようなときに動かなければ、行政も議会も存在する意味がないと、決意を新たにしております。
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